5月
目にも眩しい「新茶」の季節です。
2ヶ月程の間だけ店頭に並ぶ旬のお茶。 楽しみに待っておられる方も多い事でしょう。
「新茶」の清々しい、初々しい香と味は、身体の中に緑が広がっていく様で元気が出ます。
古くからこの時期のお茶は、不老長寿の縁起物として珍重されてきました。折角の「新茶」是非とも急須で淹れて味わって欲しいものです。
四月
入学式、入社式、異動、転勤など人間関係が大きく変わる月です。
最初に顔を合わせた時や話した時の印象は大事なものです。
その時に発する「言葉」も、人間関係を作っていく上で大きな影響力を持ちます。
「言葉のちから」ですね。
私が三十代の時、小川流のお稽古を担当するにあたり、目上の方への指導に非常に困った事がありました。敬語ばかり使っていては上手く、素早く、的確にお伝えする事が出来ないのです。
指導するにあたり一番大切にしている事は、いかに美味しいお茶を淹れられる様言葉で誘導するかです。
ここで「言葉のちから」が問われてきます。
文節は短く、その瞬間に合わせて言葉を入れていく。
なかなか難しいものです。
それでNHK京都放送局アナウンサーの開講しておられる「話し方教室」に通いました。そこで得たものは沢山ありましたが、特に、我が国の文化は我が国の美しい日本語でお伝えするのが一番良いと云う事でした。(通じないと話になりませんが)
そして、「言葉が人生を作る」と云う事も学びました。
四月、この事をもう一度思い返し美味しいお茶と共にスタートを切りたいと思っております。
今橋治楽
京都伏見アトリエ遊のお煎茶教室が
綾鷹のCMの監修をさせていただきました。
三月(弥生)
京都に限らず三月三日は「雛祭り」の行事やそれに関わる物で日本中が賑わいます。
デパートのお菓子売り場にも各店が工夫を凝らした可愛らしい雛菓子を並べています。お孫さんのおられるおばあ様方が、孫達にと買い求められる様です。実際大人の私達でも、この愛らしい雛菓子を見ると嬉しく優しい気持ちになります。口に含んだ時の喜びも、乙女らしくなるから不思議です。
「茶菓両友」の言葉通り、美味しいお菓子には美味しいお茶が付き物です。お茶がないのは片手落ちですね。
先日新聞で、最近は「経済効果」ばかりに気をとられていて「文化効果」の重要な役割をなおざりにしているとありました。
本来の意味、節句という概念を理解せず、ただただ可愛らしいから、女の子の節句だから、皆しているからに流されることなく節句の持っ意義、それが果す「文化効果」も見直したいものです。
2月
節分や立春があり、暦のうえでは一年がスタートする時期です。
吉田神社に行けば、節分に「年越し蕎麦」を食べさせてくれる店が出てます。
節を分ける、読んで字の如くですね。
小川流では一月の行事も終わり、大学も春休みに入りホッと一息つける月になります。
このホッとするのにピッタリなのが「番茶手前」
いつもの煎茶碗より随分と大きく、その中にたっぷりと熱々のお茶が入った番茶茶碗を、包む様にして持った時のあの温かく、心地良いこと 格別です。
話も弾みます。気持ちも前へと進みます。
「団欒」と云う言葉に相応しい光景がそこには有ります。
各自の生活リズムがある為、なかなか家族が一緒に温かなお茶で語り合うと云うのは難しい事かもしれませんが、たまには家族揃って「ゆとりのティータイム」を楽しんで頂きたいものです。やる気.元気が湧いてくるものですよ。
福豆餅↓