京都では、都をどりの幕開けと共に一気に晴れやかな春となり、桜の花に誘われてお花見に来られる人々で賑わいます。
煎茶の世界でも観桜手前と言って、桜を愛でながら一煎楽しもうと言うお手前があります。この季節、屋外の移動に便利な提藍を持って(二段式のバスケットの様なもの)外に出て、桜の木の下に籐むしろを敷き、茶器を飾り置いて、親しい仲間と桜を五感で感じ取りながら美味しいお茶を頂きます。
お菓子は虫が付かない様、食べる直前まで木の枝に吊るしておきます。
何時ものお茶も、自然の中で、桜の木の下で頂くと又格別の味わいになるから不思議です。
小川流では、「風は天地の呼吸也」と言って、清風の行き通う中で淹れるお茶が一番美味しいとされています。
お花見にはお酒が付き物ですが、苦手な方はお酒をお茶に代えて楽しまれては如何でしょう。