11月
「茶人の正月」です。
待ちに待った、熟成された美味なる茶葉に出会える月です
これを正装し、襟を正して頂きます。
青磁の大茶壺の口をぴったりと塞ぐ和紙の固まりの所には
緊張の一瞬です。
選ばれし一本の茶葉が取り出され、儀式に乗っ取りお手前
暦の上では立冬、難しい本格煎茶手前の始まりです。
さぁー、各々腕を競い合って下さい。
京都伏見お煎茶教室
お菓子は「乙女菊」でした。
器は三代貴古 美しいです
10月
実りの秋です。
栗、柿、葡萄、あけび、カラス瓜、等々が店先に並び出しましたが、これらを籠に盛り飾るのも秋を感じられて楽しいものです。
小川流では「果物飾り」と言います。
10月に入りお茶の味も一段と深みを増してきました。秋らしいお味です。
11月の「壺切り」に向けてお味が上がっていく様お手前にも磨きをかけたいものです。
ところで、神農伝説と言うのをご存知でしょうか?
中国の農業を司る神様で、牛頭人身のお姿です。人類にとって必要な薬草を探す為、一日に百草をなめて七十草あるいは七十七草の毒にあたられたとか。それらを全てお茶で解毒し、有効な薬草を世に広められたと云う事です。
我が国では、漢方薬の店の掛け軸として祀られています。
伊勢神宮では15日から17日、神嘗祭が行われますが、その年に採れた新米を神様に捧げて感謝する行事で「神宮の正月」とも言われます。
農業の中に位置するお茶も、新米や果物と同様感謝して頂きたいものです。
今橋治楽
お菓子は「てまり菊」です
秋桜
10月の行事といえば・・これですね。
8月
京都39℃の猛暑を記録、と新聞に大きく書かれていましたが、正にうだるような暑さです。
暦の上では8月8日は立秋、秋の気配を感じられるのでしょうか?
京都の8月は、7日から10日まで六道珍皇寺さんの鐘つきに始まりお精霊さんをお迎えするお盆があります。そして大文字の送り火でお帰り頂くと、ようやくホッとひと息つけるといった感があります。
暑い中、お寺さんがお参りに来て下さるので冷たいお茶でもと気を利かしたつもりが、どこのお宅でも冷たいものが出るので先生の所では温かいお茶を頂きたいとの由
そこで冷たい「おしぼりに青楓を添え」と温かいお茶にしました。
考えてみれば、台湾でも中国でもお茶は本来お湯で淹れるものです。
お湯でもってお茶の旨味成分を引き出すのです。
世間では「冷茶」冷茶と注目されているのは大変結構ですが、本来のお茶の淹れ方は忘れないで欲しいものです。
今橋治楽