勇介君は1週間熱で学校をおやすみしたそうです。初石膏デッサンからの39度の熱。
今日からスタート、ゆかりさんのデッサンです。
また来週も、元気でがんばりましょう(^O^)
春休み以降、中学生1年生の次男とようやく美術館やコンサートに出かけていく心の余裕が出てきました。
次男は、美術館を素通りするタイプの子どもでした。兄がじっくり観すぎるので退屈だったのでしょう。
昨日アトリエで話しました。
「ぼくな、ピカソの絵わからへん。」
半泣きです。「もっとわからへんのは、その絵を見てなアートやなぁっていう人。もっとわからへん」
それで、
「お母さんも本当のことはわからへんよ。わかったふりする人もわからへん。
お母さんと一緒や。それでいいねん。ピカソもそれでいいってさ。」
ピカソの言葉にもあったのですが、故元永定正氏も仰っておられました。
「抽象画を誰もが理解しようとする。
でも鳥の声は理解しようとはしない。」
ピカソの絵、今すぐわからなくていい。
お母さんもようやく陶芸のこと、最近少しだけわかるよ。
少しだけどね。
中学一年、次男のふしぎちゃんスケッチです。
アトリエ遊 美術研究所の受験生や中学生クラス。はじめはたったひとりの先生に一人の生徒からはじまりました。ひとりの先生は私で大学院在学中です。
そのような状況でしたが、私の基礎をつくってきたように思いました。(自慢でもなんでもなくこれでよかったとは決して言えませんが。。)
「先生、アトリエは井の中の蛙や。ぼくは大きな予備校に行く。」「いいよいいよ。ごめんね、小さい学校でごめん。」
学生の私にはがっくりと力を落としては京都芸術大学の大学院へ通い、東大阪と京都、自宅の宝塚を往復しました。
未来の見えない大きな不安とこのままでよいのかという自問自答の繰り返し。
あるとき、アトリエで伝えたこと
「井の中の蛙大海を知らず。のあとがあるんだよ。されど、っていうところがあってね。。されど、空の青さや星の美しさを知る。ということを知っている?」
そういう強がりみたいなことを言ったことがありました。
その意味や解釈はいろいろあるだろうけれど、私は勉強というのは深く楽しくまたどんどん広げていくこと。広げていって、それでまたそれを深めていくこと。勉強は繰り返し。
すぐに答えや結果を自分以外の他に、たとえば海外に求めるけれど いまの現実を深めることや置かれている状況を充分に楽しまずに外に求めても同じことの繰り返し。それが勉強なのかと思います。
社会に出ると、正解は先生が教えてくれるわけでないし
私自身も教室で、子どもたちから学びます。
講習会や勉強は必ず生活の中に取り入れるようにしています。
今はまずはこれです。
金継ぎ講習です。
生漆にとのこ、また 赤呂色漆に金色をつけます。表と裏、それぞれ絵になります。いのちが吹き込まれていくようでうれしいです。
表と裏です。
割れたものこうしてまたよみがえるようなことができればいいな。失敗しても大丈夫。またいつでもやり直せる。
赤色の漆に金
黒色の漆に銀
どちらも楽しみです。
子どもの「奨励賞」の文章がとっても嬉しかったのです。
「~(途中から)この真剣な取り組みの成果を生かし今後も芸術を愛しよりよい作品づくりに励むよう期待します。」
まさに、中学生に言いたいこと。
「絵がうまい」とか「下手だ」とかにとらわれず、いろいろな芸術に触れて親しみ、より深くしていくこと。
まさか、表彰状に 愛し・・という言葉が使われるとおもわなかった。
すてきなメッセージを受け取りとてもうれしく思いました。
もうすぐ高校生。
芸術を愛し、本を愛し、、これでよかったのかどうか。迷いながら、バトルもしながら、泣いたり笑ったり。家族で力を合わせてこれからも。よろしくおねがいします。
さて、何を描こう
というときに
中学生の君たち(なんていうのか、中学生たちへ)
どれだけのテーマをもっているでしょう。
絵にかかわらず
たとえば自然科学(理科数学)
歴史や地理の 社会科学
知識を多く持つこと
絵以外の分野の経験というか実体験を持ち(クラブ活動など)
仲間を一緒に仕事をする。
絵を学ぶときは、そのことに注意して、学ばなくてはなりません。
音楽高校 美術高校も大事だけれど
大人になればなるほど、
色々な経験値が大事になります。
色んな世界を知ってください。
この本は大学受験の時に買った本です。
美術教育を人間形成のための表現活動と考えてつくられた本
「少年の美術」より
美術を学ぶ人へ 佐藤忠良
美術を学ぶ前に、私が日ごろ思っていることを皆さんにお話しします。
というのは、みなさんは、自分のすることの意味を、きっと知りたがっているだろうと思うからです。
中略~
人間が生きるためには、知ることが大切です。
同じように感じることが大事です。
私は、みなさんの一人一人に、ほんとうの喜び、悲しみ、怒りがわかる人間になってもらいたいのです。
美術をしんけんに学んでください。
しんけんに学ばないと、感じる心は育たないのです。
もっと知りたい方は
京都伏見 アトリエ遊へ!
ちゃっかり宣伝します。
色の三要素
色には色合い(色相)しきそう
色の明るさ(明度)めいど
色の鮮やかさ(彩度)さいど
これを知っておきましょう。
その色相を環にしたものが色相環といいます。
日本語訳
12時から き(黄)
きみのだいだい あかみのだいだい あか あかむらさき むらさき あおむらさき あお みどりあお あおみどり みどり きみどり き
12時と6時の正反対のところの色が補色
補色というのは混ぜ合わせると 無彩色 (グレイに近い)になります。
作品の写真を撮るときにも注意しています。
今はパソコンで色の3要素に変化がつけられます。![]()
これは 生麩をたいたときの写真。
ちょっと彩度をあげてみますとこんなかんじ。![]()
鮮やかになりましたでしょうか?
次に明度を落としてみます。
暗くなります~![]()
最初の写真にもどります。![]()
いつも、陶芸のフェイスブックの写真や ブログ写真はこうやって すこしでも見やすく
作品がきれいに見えるように調整しています。
それで、細部まで丁寧につくっているところまでよく見えるようにしています。
中学生にとって必要な色の勉強のことです。
色は時計になっています。
1時から12時です。
またその時計の色ですが、12色。
各メーカーが出している子ども絵の具の12色セットとは全く違います。
赤は各種メーカーによってもちがうんです!
本当に赤いな・・と感じる色は青みがかっていると思ったりします。
もちろん感じ方には個人差というものもあります。
同じチューブから出した色でも、画用紙に塗ったときはみんなちがっています。
同じ絵具でも、これがふしぎなことに、水の量や筆の使い方でまた違います。
この図は12色相環図です。
赤はどこでしょうか。
3時のところが赤?ではなく
4時のところなんです!
一番上は黄色ではなく、黄緑!
これが日本語訳となります。
そしてこの色にはそれぞれ科学で数字で説明できる光の分析です。
光がなければ色は見えません。
また、この色がわからなくても(色弱等)
色彩豊かな表現 理解は可能です。
色の3原色 赤青黄 それぞれ混ぜると無彩色(グレイ)になります。
メーカーによります!(^^)!
さてさて、実践にどれだけいかせるでしょうか。
勇介君途中の絵です。
馬の絵です。![]()
馬の部分は青みがかっている。
それを主題にするなら
青を引き立たせる黄色ではないか?
と考えたり・・
アドバイスしたり・・
コンクリートを突き破った外の世界にするなら、
もっと、無機質にしようとか・・
そういう話し合いをします。
それが、中学生に必要な色の話です。
ヨハネスイッテン色彩論より
絵の描き方、導き方についての本が少ない。
あれこれ教えない方がよいということも、よくわかります。
自分の感性で自由に工夫して調べて思いっきり描くことができる。
好き勝手に描くことで十分。
充分に工夫して研究できる。
そういうこともありますが、
素材と絵の具の使い方、発想の転換は、指導が必要。
中学生なら絵の具はポスターカラー、アクリル絵の具、やアクリルガッシュ、
呼び方は違うけれど、重ね塗りに合う素材ということです。
まずは下描きから塗りはじめまで。楽しく描けるときには指導はいらないようですね。
6時間かけてやっとここまで。![]()
まわりは、土か木の絵にするそうです。![]()
![]()
グレイだと少し本人の思いと違うみたい・・だんだんつらくなってきているようで・・
そういう時には先生が必要。
背景の色の変更
はじめの主題を思い出す、あるいは主題を変える。
黄色は下の色が出てくるから、アクリル絵の具を買いに画材屋さんへ。
さてどうなりますやら。
青に対して黄色を持って来れば映えるかな・・右下黄色![]()
テーマの変更ですが、
稲垣足穂の
「空の美と芸術に就いて」
これは、映画「風立ちぬ」とも関係しているそうです。
イメージは多くの感動をためておいて、心のひきだしに入れておいて必要な時に出し入れできること。
家にいて、パソコンとにらめっこで、コピーしていてはだめなんですね・・。
この段階で、縦横の向きを変えて、
画材屋さんへ。
筆と黄色のアクリル絵の具を買います。
最後は飛行船が飛ぶそうです。
まだこれでも未完成。
このように、いろんなシーンで臨機応変に工夫して絵と向き合って上手く自分の表現に合わせる。
時間で言えば18時間3時間を6回です。
美術部で好きに描くのとちがうのは、
このままでも大学入試に使えることです。
技法や内容にもよりますが、こういう過程で作品ができるという
その過程、プロセスを習うということはすべてに通じます。
自分の中での失敗から、組み立てなおす楽しさこそ、絵の寛容さ不思議さ、楽しさです。
完成がたのしみですね。
勇介さん