中学生にとって、デッサンとは、目の前にあるものを写しとること。
もう少し段階が進むと・・・見えないものを目の前に再現するように表現することになる。
中学生にとって、色彩表現は、色をつかうこと。きれいに塗ること。
もう少し段階が進むと・・・自分のイメージした世界を色彩をつかって表現すること。
さて、立体は?難しい。
工作。作るのが好きなら、立体=工作でもいいかな。
手先が器用なら、粘土で上手につくるだけでも 立体と言える。
では、
工芸と彫刻の違いって何か。
という説明をしなければならない。
工芸作品は 準備段階で もう完成している。途中で迷うことはあまりない。むしろ迷ってはいけない。もう最初から完璧にできている。仕上がりがもうできている上での作業ともいえる。だから、同じものを2個つくってください。って言われても可能だというわけです。
彫刻(立体作品)は 単に計画通り・・それだけではない。変更可能の部分が多い。工芸より多い。
「同じものを2個作ってください」などとは言われない。
なぜでしょうか?っていう問いかけもあります。
自分の子どもにはそのような話をしたいと思ってチャンスを待っていた。
中学生の段階では、立体って何か知っておくべきだと思う。
美術館に行って、5歳児までは大きな作品の前で 興奮して驚く、目をキラキラさせて喜ぶ。そういう子育てができていれば理想的。あるいは何かの感動があれば、それでよい。でも、学年が上がり高学年になれば、意味のないものは退屈になってくる。(知識で理解する力があるみたい)
上手く言えないけれど・・なんていうのか、勉強にもいえるけれど、わからないものに対してどうするか。
わからないものに、おもしろさを導き出す人。そういうプロフェッショナル との出会いはとっても大きい。
それでは、彫刻家の多羅信綱先生 おねがいします!
立体基礎さて、美しい形できたかな?
角度を変えて・・見上げてごらん!
はいできました。
先生これでどうでしょう?って勇介君。
多羅先生がやってきました。「狙いすぎやな。」立方体を中心にもたれかけさせたという感じになっている。
そうではなくて・・3個で一つ。離れていても同じ立体の作品の一部だという意識を持って。
先生がなおしてくれました。
立体の四角柱をちょいっ。横におきました。
「はい。ぼくならこうする。」
勇介君の反応は・・
「ああ~なるほど。立体っておもしろいね。ぼく、ちょっと楽しかったかもしれない。」
私は子育てというのか
このように意味のないことに
意味を見つけて生きることがどれほどのことか・・
ただそれを感じてほしいと思う。
いいとか悪いとか そういうことではない。
綺麗な形をさがす目をやしなっていく基礎を学んでほしいと思うばかりです。