わたしの生徒で今年就職が決まった西雄也さんの紹介です。
彼は耳が聞こえません。少しは聞こえるようでした。それが3歳のときです。
私はまだ大学に通っているほどの年でした。もちろん結婚も出産も母の気持ちさえわかりません。そんなときに初めて彼と出会いました。
アトリエで 数人で絵本を読んでいました。楽しそうにみんなで絵本を読んでいました。そのときに彼が「トイレにいってきます。」・・うん[E:heart02]わかったよ。「ぼくがトイレから帰ってくるまで、みんなで次のページを読まないでね。」と 3歳のかれは一生懸命に話してくれました。自分が聞こえないからといってわすれないで・・というメッセージでした。
もちろんみんなで待ちました。トイレから帰ってきて、ほっと一安心。みんなで次のページを読みました。
その後も聾学校で ヴァイオリンのコンサートがあったそうです。演奏終了後「楽しかったですか?」の質問にお友達は「楽しかった。」彼は違いました。「ボクがもし耳がきこえたらどれほど楽しかったか。」と答えたそうです。
小さい時に もちろん個性も含め 自分ではどうしようもないことがおこったとき、「私はこうだ。」あるいは、「やめて。」そして「ここにいます。」と言えれば(ある意味先生としてはたよりないのですが、)私は安心します。
さて
4月から公立の学校の先生。西先生。困ったことがおこったらいつでも、待っています。
[E:confident]