私は中学で先生に教わったことがあります。
「手はホースじゃない。」
その先生が絵を描くときには人間の関節を見なさいって教えてくださいました。
関節そして骨や筋肉です。人体を見るとき必ずその人の骨を見るようにしています。
でもまだ小さい子どもたには関節がわかりません。
「かんせつくん」という小さな紙をくみあわせたものをつくって、興味を持った人にはこういう方法で指導しています。
まずは、先生のポーズ。「かんせつくんでつくってみよう。」
先生はどんなポーズだったかな?
どんなぽーずでもできるよ・・
ではこんなポーズは?
という感じです。このあと写真を見て・・
それから自分で描いていきます。
では中学生はどうでしょうか。
中学生は少し調子にのること、調子にのせることが大事。褒められるなら描いてもいいかな?ぐらいの方法で引っ張って行かないと、描いてくれませんよね・・
人体を描くことを恐れずまだまだいっぱい描いてみることが大事です。中学生なのでここではかっこよく描きたいという気持ちをからかってはいけません。とにかく、嫌になってしまうともう描きません。調子にのせるには上手く褒める方法やその言葉に注意。「もう一枚お願いします。」って描いてもらいました。
色の使い方ですが、平面の写真を写しているので立体的に見えるように、筆を動かすことでうまく見えるということがあります。
友達とか親に自慢できるような絵をつくっていくことで、ちょっと調子にのってきます。
紙がボロボロなので完成としました。
似顔絵ではないので照れ隠しで「変な顔~」とか本人は言いますが、良いところをたくさんみつけましょう。
天君 勇介君 ありがとうございました。
人体デッサン
絵の描き方は絶対に教えましょう。
美術の先生に習いたいことは、うまく絵を描く方法です。
でも案外教えないこと、そして、そういう立場で指導することを「よし」とすることがあります。
まるで児童絵画を聖域のようなとらえ方をすることがあります。
教えないことを肯定しているようです。
そういう先生を母親としてはどう思うでしょうか?
私は、絵の描き方というよりも
手ほどきが必要だと言いたい。
マンガが好き。アニメが好き。でも美術とアニメとどう違うのか。
よく言われたことば・・「絵で食っていけるのか?」
そういうことをだれも教えてくれません。
もうそろそろ、言ってもいいかと思うようになりました。
芸術大学に入っても、絵は案外教えません。自分のテーマを自分で深める。
むしろ大学の先生が指導すると大学生が嫌がるそうです。
「こう描きなさい」ということを、この段階で説明しては遅いのです。
でも、もし自分の子どもが大学に行くなら、芸術にかかわらず、将来役に立つカリキュラムで指導してくださる学校がよい。
何を教えてくれるんでしょう?
描き方ではなくても、道具の使い方、
陶芸なら轆轤や、歴史、京都なら京焼清水焼、その窯の維持する方法など、また卒業後の生き方など。
そのあたりを説明することが必要だと思う。絵が好きでも、どれほど現実では大変かをしっかりと説明するほうが本当だと思う。
早期教育というなら、感性のことです。
五感を育てないで、良い絵は描けません。
美しいと感じる心
美味しい。うれしい。たのしい。
そして、自尊心です。
そういう子育てをしてそれから、絵の話になります。
聴いて見て心を動かして体を使って、表現する。
〇歳からはじまっているんです。
嫌なこと、うれしいこと、楽しいこと、体いっぱいに表現することからはじまります。
上手くても下手でも、その表現したものを認められたということが大事です。
大学受験の絵は短期決戦で、むしろ・・体力 気力 。心技体。と言えば少しわかるかもしれません。
どんなに上手な人でも、むしろ上手すぎるから落ちてしまうような受験。
実技試験はとても難しいものです。
ですから、子どものうちは進路とは関係なく、描き方、すきなことをしながら実は自分の進路に確実に向かっていくという指導をブログでまとめていきます。
絵の具でデッサン(着彩)
絵の具でデッサンします。
絵に自信のある人、絵が好きな人には何でもないことですが、
絵の具と筆の使い方には解説や指導法があります。
すぐに上手くなりますし、このまま大学受験の基礎にもなります。
基礎とは絵をきらいにさせないようにすることです。
マンガでもよいし、お兄ちゃんお姉ちゃんのマネでも、
とにかく、作者のお話をよくきいてあげることが基礎になります。
勇介君(中3)いつもありがとう。
想像のものにしても、何か描こうとして色を塗って表現して上手く見せようと思ったら、色つきデッサンは必然です。
今日は ①でこぽん ②お玉
です。
①でこぽんを描く
まずは下描きします。
きちんと書くべきところはどこでしょう。
果物はすべて一つのお花だったということです。
当たり前のどこでもあるものに、意味を見つけ出してストーリーを作ることからデッサンがはじまります。
それで・・
説明なしで描いてこのような感じになります。
まずは球に見えるように描くとはどういうことでしょうか?
こちらは解説ですが、面に沿った筆の動かし方です。
球に見えるような、表現をモチーフから探し出すということが説明になります。
こちらが、小学生の絵です。
とっても上手です。見るべきところがわかるということ。
適当にしていいところときちんと書くところがわかっている。
小学5年生ですが、中学生のレベルです。
ここにいたるまでですが、
小学2年生。天君です。
横にあるのが科学絵本です。観察するということはいったいどういうことでしょう。
あるがままを見ることがどれほど素晴らしいか。
素直な目と感動がまず初めにあります。
デッサン力とはこういうことです。あるがままをまっすぐに見る力です。
それからホカホカとあたたかい心で絵をかきます。
観察に充分時間をかけて、さっとかくのは、素描の基礎です。
上手いとか下手だとか、何もわからないのに 評価したりすることよりも、心の動きに注目しましょう。
見えたように描く。このように見えたということを、褒めてみんなで喜んでいきましょう。
(デッサン 作者 天君 ありがとう)
②お玉を描く
お玉をかく。
自然のものは、それぞれの形ですが お玉はどこにでもあるものなので一番大事なのが下描きです。
これが小学生の絵です。
こちらは3年生です。よく理解しています。しっかりと使えそう。
きれいにかけていますね。形をとるというより、どうやって何のために使うか興味がある人の絵だとわかります。
まず、用途を理解しているかどうかが問題になります。
さて勇介君のパレットを見てください。これは、父親のパレットです。若い時から使っていたものです。
このパレットに絵の具を出したのは・・33年前。絵の具は出しっぱなしで表面は乾いていますが少しずつ永和のアトリエ遊でみなさんが使っていたので、絵の具が足されていい感じになっています。
ちょっと混ぜただけでも、誰かが見守ってくれるような感じがしますね。
こわがらずに手数がでています。なぜ、無彩色のもの(白黒グレー)のものにこんなに色をつくるのか?ということですが、
黒を使わないで、無彩色をつくっています。捕色を混ぜています。反対の色をうまく使って当たり前の黒に見えないように工夫しています。
たとえば 赤と緑少しの青を混ぜて グレーをつくっています。
あるいは茶色に水色を混ぜて、ふしぎなグレー。
無彩色にも色を感じる工夫です。
ちょっと写真ではわかりにくいですが、頑張りすぎでボロボロの紙になっています。
さてさて書きはじめから1時間30分です。
まだまだいっぱいあるけれど、今日はここまでにしよう。
紙に穴があきそうだから、完成ということにします。
色んな色がたくさん感じられるあたたかい絵になりました。
色彩構成で色の基礎を学び、着彩でその色の基礎を活かし デッサンするという仕組みになっています。
スパイラルになって、気がつけばなんでもできる基礎になっています。
技術ではなく、道具の使い方、はじめの手ほどきがあれば自分でどんどんふかめることができると思います。
大人ならだれでもいつでも今日からでもできる絵の勉強の基礎です。
文章で伝えるのは本当に難しいことですが、いつでもだれでも うまくかくことができるのです。
http://fusimi-art.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-9997-2.html
教室の様子です。
立体を指導 合評後・・
立体の合評をしたその後帰り道。
「お母さん。ぼくのこと あきらめてくれる?」って言う勇介さん。
「うんいいよ。」って私
「僕の進路。もうきめたから。」
「わかった。応援する。」と答えました。
短い会話をかわし、あっさりと勉強しはじめた。
自分で決めて頑張るだけだと言う。
主人とこっそりと祝杯をあげました。
いい子にそだってくれて ありがとう。
親はまるでだめなのにねぇ・・。
子育ては素晴らしい。
立体を指導~紙の立体~
中学生にとって、デッサンとは、目の前にあるものを写しとること。
もう少し段階が進むと・・・見えないものを目の前に再現するように表現することになる。
中学生にとって、色彩表現は、色をつかうこと。きれいに塗ること。
もう少し段階が進むと・・・自分のイメージした世界を色彩をつかって表現すること。
さて、立体は?難しい。
工作。作るのが好きなら、立体=工作でもいいかな。
手先が器用なら、粘土で上手につくるだけでも 立体と言える。
では、
工芸と彫刻の違いって何か。
という説明をしなければならない。
工芸作品は 準備段階で もう完成している。途中で迷うことはあまりない。むしろ迷ってはいけない。もう最初から完璧にできている。仕上がりがもうできている上での作業ともいえる。だから、同じものを2個つくってください。って言われても可能だというわけです。
彫刻(立体作品)は 単に計画通り・・それだけではない。変更可能の部分が多い。工芸より多い。
「同じものを2個作ってください」などとは言われない。
なぜでしょうか?っていう問いかけもあります。
自分の子どもにはそのような話をしたいと思ってチャンスを待っていた。
中学生の段階では、立体って何か知っておくべきだと思う。
美術館に行って、5歳児までは大きな作品の前で 興奮して驚く、目をキラキラさせて喜ぶ。そういう子育てができていれば理想的。あるいは何かの感動があれば、それでよい。でも、学年が上がり高学年になれば、意味のないものは退屈になってくる。(知識で理解する力があるみたい)
上手く言えないけれど・・なんていうのか、勉強にもいえるけれど、わからないものに対してどうするか。
わからないものに、おもしろさを導き出す人。そういうプロフェッショナル との出会いはとっても大きい。
それでは、彫刻家の多羅信綱先生 おねがいします!
立体基礎さて、美しい形できたかな?
角度を変えて・・見上げてごらん!
はいできました。
先生これでどうでしょう?って勇介君。
多羅先生がやってきました。「狙いすぎやな。」立方体を中心にもたれかけさせたという感じになっている。
そうではなくて・・3個で一つ。離れていても同じ立体の作品の一部だという意識を持って。
先生がなおしてくれました。
立体の四角柱をちょいっ。横におきました。
「はい。ぼくならこうする。」
勇介君の反応は・・
「ああ~なるほど。立体っておもしろいね。ぼく、ちょっと楽しかったかもしれない。」
私は子育てというのか
このように意味のないことに
意味を見つけて生きることがどれほどのことか・・
ただそれを感じてほしいと思う。
いいとか悪いとか そういうことではない。
綺麗な形をさがす目をやしなっていく基礎を学んでほしいと思うばかりです。
立体を指導
教科書をつくる
専門的に中学生が絵を学ぶとき、どの程度まで必要なのでしょうか。
また絵の具のちがいによってどのような表現まで可能なのでしょう。
3歳ぐらいまで、丸しか書けない。
5歳でやっと人らしいものをかく子どもで、妖怪の絵ばっかりかく小学生。
でも4年生ぐらいから、デッサン基礎 6年生では石膏デッサン 絵の具でデッサンをしました。
中学2年ではもう大学受験のことができます。
ただ進路は別です。
本当にやりたいことが何かわかるようになって、デッサンをしてはおそいのです。
親がある程度の進路をきめてやって、その上でやっぱり法学部といえば、大賛成しようと思います。
何もしたくない以外は賛成しようとおもいます。
そういうわけで、いつでも東京芸大のデザイン科の受験は夢ではないことろまでやっておこうというわけなんです。
親ばかと思ってください。でもU介さんが アトリエ遊のことが大好きなので、どうしても自分が教科書をつくるって言ってくれたので、そのことは一生わすれないように親子で形にしようという話になりました。
私はもう19歳から自分の教室で
受験生の指導をしているので・・
30年も先生をしています。
その経験を子どもと形にしていくことができるという幸せを感じています。
意味のない、
ただの「象徴」だという一言から
やっと・・
スタートにたつことができました。
冬休みの宿題
中学生の時に、基礎のデッサン力があれば、模写ではなく自分の思い通りの想像の絵が描ける。小学校の時に取り組んだ絵の数と時間は無駄ではない。
自信がなくて描くのがふつうです。
私ももちろんそうでした。びっくりしながらも自分なりの線を引いていました。
「和風」をテーマに屏風をつくります。
自分の個性を表現しなさい。
これがU介さんの絵です。本で育った自分の個性。和風はパッとさいて散る桜を描くことで表現しました。桜の木の下で「はなさかじいさん」の絵本を読み、灰を桜の木にまいたあの頃。を表現したそうです。
保育園の時の絵を描いています。
絵を描き、自分に自信をもち継続させて、これから進路に向き合います。
消しゴムはんこで桜をかきました。