京都伏見絵画教室

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今日のスケッチはこんな感じのペタンとしたモチーフ。

角度によっては難しい。上から見て描くかな?

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上から 朗君 至浩君 毅人君

白のモチーフでパースがついていてちょっと難しいね。

伝統否定の動き

ロダンは、若い芸術家に向かって警告している。
「忍耐が必要だ。霊感をたよりにするな。そんなものは存在しない。
芸術家の唯一の資格は、ただ知恵と注意と誠実と意志にある。
仕事をなすにあたって諸君は正直な労働者のごとくやりとげよ。」
・・・・
自分が本来持っている才能などというものはささいなものでしかない。
とくに、子どもの絵にとっては、そのようなものではないか?
絵(素描)の勉強にあたって、
学習者は学習のもっとも適切な方法を知っておき、その方法によって学習を積み重ねていかねばならない。
山に登るのにも 行き止まりの道をいくようなものである。
方法を知らない、方法が悪いと山を登るのに山頂へは行けない
そのためには、
1・熱意・実行力・持続力を持つこと
2・ヴィジョンを持つこと
3・方法を知ること
ロダンの警告はこのように続く
最も偉大な詩人でも言葉を知らない外国ではなにができるだろうか。新時代の芸術家には不幸にも言葉を学ぶことを拒絶する多くの詩人がいる。デッサンはまさしく詩人にとっては言葉に相当するものであり、それなしに造形芸術は存在しないのである。
・・・
デッサンで学んだのは、このようなことであって、好き勝手に描いていいという絵は1枚もない。
伝統や型や描き方を否定するのはいつの時代にもある。音楽においても伝統否定の上には偉大な芸術家は存在しなかった。バッハなしにベートーベンを考えることはできない。
ではその伝統って、なんだろう。
素描 絵画の基礎。あるいは、京焼清水焼の伝統や歴史。
伝統を否定して珍奇な試みをするだけならいつの時代にもあった。
作家活動を通して、ただの伝統否定(あるいは素描絵画の基礎の否定)なら
それもまた歴史から消え去ってしまうものなのである。
 
改めて自分自身そして、絵から見た子育て、子どもの絵の指導にも通じる話だと再び実感しています。
造形的修練としての素描論より一部抜粋

真っ黒の絵 ~色彩診断~

常識的レベルの色彩診断があります・・たとえば、
黒を好む子どもたち
情緒的な行動のかけた子どもたちは、すなわち 自由な感情の流れのない子どもたちは黒を用いることに固執する傾向がある。このような子どもは、きびしい教師や両親というような人に対する恐怖に対して克服しようとする意欲を喪失し萎縮してしまっているこどもである
アシュラーとハートウィック女子著「絵画とパーソナリティー」
図工指導の疑問これですっきり 栗岡英之助編著 より抜粋
そのような色彩診断を苦にして子どもが自殺する事件があったことことから、こうした速断を戒めるアピールをだしています。
「応用心理学会」(神戸)
美術の勉強というのは、正解が一つではなく、即効果があらわれたり コンクールに入選したりっといった すぐに答えがでるものではありません。
美術の勉強は、人格形成に深く役に立ち、どんな仕事をするにも役に立ちます。
音楽も音符 リズム、絵画も色 形、世界共通です。深く広く学ぶものです。
真っ黒の絵 であってもすぐに答えを出したり、子どもの気持ちを考えないような描き方を無理強いすることはないように十分配慮しなければなりません。

真っ黒の絵 3

もし、問題があるかどうか考える絵と出会ったら注意することですが、
1・画材の研究
(クレパスの特性)
2・作者の性格・気質・色の見え方
(色弱等)
3・絵に失敗はないということ
(見方を変えてやる)
まずは、我が家の子どもの場合ですが、
1・画材の研究
クレパスの特質です。
クレパスは重色に向きます。
色を重ねて重ねていろんな表現ができます。
でも、はじめに黒を使ってしまうと、水彩画のように あるいは工芸のように 縁取ってなかを塗るわけにはいかないものなのです。そこは大事なところです。
マンガ的に描くには適しません。
素材を使いこなし使っているうちに、失敗すると気が付くことがあるようです。
たとえば、
黄色の上に赤ならきれいな赤。でも赤の上には黄色。赤が勝ってしまう・・。
そうやっていろんな色を重ねていくと、最強は 黒。
TV○○レンジャー等の戦いもの、戦隊シリーズは中央センターに立つ、赤が主役。赤はかっこいい。「強いもの」 「最強」に弱い次男は、クレパスの最強。その黒の魅力に気が付いたのかもしれません。
それで、実験開始。という順番になってるとも見えました。予想にすぎませんが・・。
要するに、注意することは、(兄が描くように)鉛筆が黒なので、黒で縁取ったらクレパスはあとがたいへんだということを教えてあげないと可愛そうな絵になってしまいます。かわいい顏を描くつもりが、まだらな顏です。マーブル模様です。その素材の特性とはそのようなことです。
にじみ(水彩)ぼかし(パステル)もできないクレパスは、塗り重ねることでその素材が生きてきます。
描き方を教えるっていうよりは、その素材(描画材料)の使い方の手ほどきが必要で、こうやって使うとより楽しい。ということがあるという簡単な例があれば子どももわかりやすいと思います。
2・作者の気質 性格 色の見え方
次男は現在 10歳になっても、気質はかわりません。黒を画用紙に使うと画用紙の白がちらちらとみえる(ぬり残しが、)許せないというところがあるようです。色鉛筆の黒 その上に金で描いています。この黒の塗り方はいまでも同じです。P1014750.JPG
色鉛筆でもやっぱり黒い缶は真っ黒。黒光りしています。
黒光りするまで塗っています。立体感も少し出しているのか、まわり(左右のまわりこみ)は薄いままというところも4年生らしい絵です。
自分の思い通りになるまで、何度も何度もやり直すところも、幼稚園時代から5年間おなじです。
絵は 作者の気質 性格などがよく出ます。
個性は、変えられないということです。感じよく「ぬりえ」をすることができない。情熱がありあまっている。
ですから、気をつけたいのは絵は自分自身『分身』だということなんです。否定されるとさびしいです。
「もっとうまく描きなさい」と家族から言われるのは、絶対にダメです。ではうまい絵って何?ということになってしまいます。そうではなくて、
「そのままのあなたでいい」
って言ってあげてほしいと思います。
たとえば色弱、弱視、・・見え方に感じ方にちがいがあっても、そのなかで一生懸命描いたものに間違いがありません。それをしっかり受け止めないで次はありません。親でしかできないことです。
点数評価は学校の先生にお任せしましょう。私は母親であって、アトリエのお絵かきの先生ですから、0歳から大学受験 大人の方まで見ています。一枚の絵で生きることを共感して、ほめたたえて個性を伸ばすことの方が大事です。
3、絵に失敗はない。
先生には・・
失敗した絵を、最高によく見せる方法をいくつか知っておくと便利です。
子どもは「失敗した~。」というときに「たすけて~」っていう時に、
クレパスなら 塗り重ねでうまく回避できます。
あるいは絵の向きを変える方法があります。
ひっくりかえしてみると動きが出たり、向きを変えるとよくなったりします。
そういう時に、作者との合意のもとにお手伝いしてあげると、信頼関係もできます。
先生の指導にそって、作品を最後まであきらめないで完成させるように、
上手く信頼関係が築けるといいですね。
お母さんお父さんには・・
失敗したところに、分析しないこと。また、責めないこと。
絵の具、クレパス、道具が足りているか、環境を考えるのが親の仕事だと思うようにしましょう。
なにかほかのことで心配していないか・・という気配り。
(自分への反省、母親としての不十分さを感じながら付け加えました。)

真っ黒の絵 2

次男は実際には、真っ黒の画用紙が10枚ほど。春から夏そして、秋ごろまで黒の絵。幼稚園では先生の指示がきけていない様子でした。
描き方は自由。すきに描いていい。
だから、黒。
私は、一度 拒食症 の子どもに絵を教えていた。拒食、巨食の繰り返し、入院。
その女の子の絵は一目みただけで、その子のつらさがいっぱい。
すぐにその精神状態の不安定さはわかる。
自分のありのままを出せてそれを認められる、そのような先生になりたいと思いました。
私には医学的なことはわからないけれど、一緒に絵が描ける時間を大事にしてきました。
写真は残っていませんが、かわいらしい現在よく見るキャラクターの絵に似ています。細い体の目が大きく少女マンガの世界。その世界を共有することが対話、コミュニケーションでした。
さて、自分の子どもの絵ですが、元気いっぱいの絵だと思いました。
エネルギーがあって、なんども繰り返すことができる性格。
同じ行動を繰り返すことの快感。楽しそうに思えました。
描いているときの表情で確信を持っていました。
その理由として
「色そのものに病的な色はない。」
たとえば紫は高貴な色。
格の高い色。情緒不安定な色ではない。
黒も同じ。悪い色なんてない。
色はその色そのもの1色では存在しえないもので、隣り合う色どおし、法則に当てはめると、その色の面白さの再現が難しいもの。
それでいて色は、科学的に裏付けられたものである。
きっと意味があって、黒になっていく理由はあっても、
描くことで解消して 健全な方向にもっていくために、のびのびと自由に描く
でもそれだけではない、自由に描くための手ほどきは必要だと思いました。
 

真っ黒の絵 1

4歳から5歳まで書きつづけた絵です。
次男の絵が出てきました。これ以外は真っ黒でした。P1014751.jpg
画面いっぱいに、真っ黒でした。
片腕の右手の付け根を中心とした同心円の繰り返し。
そのスピード。その力。
この絵の上からまた黒を重ねます。
はじめはカラフルな色をつかっているようです。
途中はこの部分でカラフルなはず・・。
P1014752.JPGでもまた黒になってく。端っこはこんな感じ。
保育園から幼稚園に、そして私も仕事をしながら幼稚園の送迎で、疲れ果て、この絵。
先生に呼び出され、
もう少しゆとりのある生活に・・
というアドバイス。
それができたら、悲しくない。
それができないから、悲しくて泣ける毎日でした。
絵の先生の子どもなのにね・・。
というところから、始まった「子育てと絵」の話です。

京都伏見絵画教室 ふくろうを描きました

「ふくろう」をかきました。縁起がいいモチーフです。知恵の神様、そして首がまわる。商売の神様。不苦労、で ふくろう。

まず新聞紙を破ります。新聞紙を曲線に破っていくのは、〇歳のびりびり遊びから始まって、お思い通りに破っていく。成長をうながして、ストレス解消です。なんとなく気分すっきり。新聞紙には破りやすい方向と破りにくい方向があるので曲線になると指先をうまく使い、根気よく少しずつです。P1014748

大胆に。また細かく。そして楽しくです。

それから 「のり」。つけてはって またちぎって 手を洗って。「めんどくさいな~」って思うか、最後までやろうとするか。先生の誘導次第です。一緒に遊ぼうっていう感じかな?

P1014749 家族ではないちょっと離れた年のお兄さんお姉さんと接することで、ちょっと嫌なことでもやってみようとする。学校ではないところでストレス解消。P1014745

幸せのふくろうができてきました。

Dcim0314_2 さて来週は絵の具です。

がんばったね。来週が楽しみな、ゆうこせんせいより。